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           コンピテンシーの制度に関して

            経営コンサルタント 牧村 康彦

 ご質問

  わが社もこれから成果主義をとりいれようとしていますが、最近の人事制度で採用

されつつある、コンピテンシーの制度を取り入れようと役員会で決定しました。

コンピテンシーの意味とその策定の仕方、事例をお教え下さい。

 

ご回答

 コンピテンシーは、成果をあげる行動特性という意味です。

例えば、新入社員が2名同学歴・同成績で営業マンとして入社したとしましょう。

1年後、A君は営業成績は顧客100社、ところがB君は10社しか、獲得できず、その成果に関して大きく差がでたとしましょう。

 この差がどうしてできたかを考察し、調査、分析するのが行動特性を捉える指標(

コンピテンシーディクショナリーになります。

 A君は毎日、営業活動を20件飛び4月号 会社分割に伴う労働承継法について込むことを目標に営業時間の管理も行い、効率

的に活動するため、交通機関、訪問場所等を工夫して行動し、訪問頻度を高めて今した。1日8時間を有効に使い、繰り返し、時間と顧客を管理し、顧客のニーズを調べるように行動していました。

 一方B君は、上司から指示されたことのみ行い、時間管理・顧客管理をただなんとなく行っていました。

行動結果を調査した結果により、時間の効率的活用・顧客管理・サービス志向・改革的行動が項目として得られました。この項目に絞り、特性の特徴をとらえてディクショナリーを作成しました。

 この結果できる社員の行動特性を前提に評価制度ができあがります。

これが、成果をあげる行動特性の指標となるのです。

具体的事例をご紹介します。

  コンピテンシーディクショナリー(成果を上げるための行動評価リスト)

 

1基本的動作評価

(アカウンタビリティー)

(ビジネスマインド)

責任感の評価

 

 

 

 

 

日常のオペレーションを評価する項目

責任のある行動をとっているかどうか

【説明】

単に割り当てられた仕事をこなすということでなく、積極的に

今の立場で何をすべきかを自覚し、さらに会社を成功させるには何をすべきかを自ら考え、遂行するということを部門別に設定したもの

 

 

評価の指標

チェック欄

●×記入

 

1.自分の職位で遂行すべき職務の責任を放棄していないか

2.自分の職位で遂行すべき職務の責任については、正しく説明できる(自分の職位の役割を演じているか)

3.知識や経験不足はないか・会社に損害を与える行動はとっていないか。

4.責任は果たしているか

5.高いレベルでチャレンジしているか

2知識レベルの向上と共有化評価

 

 

 

 

 

 

職務の知識や技術を向上させ、さらに共有化するための行動が

とれているかどうか

【説明】

 基本的にまなんだ知識を職務を通じて繰り返し体験し、自分のものにしていくとともに(単に知識としてもっているだけでなく、それを活きたものにする)人に教えること伝えることによって知識を増やすためにこの評価項目を設定する。

 

評価の指標

チェック欄

●×記入

 

6.職務の知識や技術を学ぶことに積極的である

7.経験した職務での留意点等を記録・メモして、適宜参照している

8.職務において(職務内容の変更があっても)、経験した職務と留意点にもとずいて遂行している。

9.経験した職務で学習したことを応用して、より職務内容が変化した(高度になった等)無難に実施できている。また、共有化のために上司・関連部署にその内容を報告している。

10.        知識や技術が陳腐化することを防ぎ、また他社員が身につけることを支援するために、指導やコミュニケーションの機会を持ち、より高いレベルでチャレンジしているか

 

 

3数値管理評価

収入、費用の両面にたって、結果としての数値ではなく、結果をだすためにどのような行動をとっているかを評価する

【説明】

かならずしもコストをかけたからといって結果として収益が増加するとはかぎらない。またコストを管理しているだけでは

収入は増加しないこともあり、自ら費用、収入面のリスクをコントロールしているかどうかを評価する。

 

 

評価の指標

チェック欄

●×記入

 

11.        コストとは何かを理解しているか?(認識)

12.        コストを意識した行動はとっているか(実質行動)

13.        在庫管理などを徹底的に実施し、ロスがでないように管理し、1週に1度はその状況を報告しているか

14.        収入をあげるための行動(例えば売込み等)がとれているか

15.        指導やコミュニケーションの機会を持ち、より高いレベルでチャレンジしているか

4情報収集評価

 

 

 

 

職務に関してのあらゆる情報(上下の情報・横の情報・顧客情報・商品情報・システム情報・外部情報・法的情報等)を如何に収集し、具体的にその情報を現場に加工して職務に生かすことができるかどうかの評価。

 

評価の指標

チェック欄

●×記入

 

16.        様々なデータ(顧客(管理は社員を対象)のニーズを意識したデータ)を必要に応じて収集している

17.        データを分析し、自分なりの意見をだしたか(文書、報告書にまとめ提出)

18.        データを加工し、対策がでたか

19.        データ分析・検証の結果から会社のコスト削減、収入アップにつながる提案をしたか(数字ではなく行動)

5問題解決評価

 

 

部門における問題を認識し、その改善につとめ改善できたかどうかを評価する

 

 

 

評価の指標

 

チェック欄

●×記入

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20.        問題を発見したらすぐさま対処し、また上司・部下・関連部署に報告ている

21.        現在発生していない問題であっても情報収集を怠ることなく、予測される問題に関して上司・部下・関連部署に連絡し、問題の可能性と起こった場合における被害等を報告している(報告書が出ているかどうか)

22.        予測される問題に関しては対処策まで立てている(対応は文書化されているか)

23.        これをマニュアル化し、指導できるレベルになった

24.        突発的な問題に対しても正しい対応ができた

6コミュニケーションと報告評価

コミュニケーションとは、関係部署(店舗間、店舗と商品部、管理本部と店舗間)外部の利害関係者においてのミーティング、電話等連絡・指導を意味する。

【説明】

何らかの必要性が生じた場合に、関連するであろうと思われる部署、担当者、パートタイマーとの連絡を蜜にしなければ、本来の業務においての支障が生じるばかりでなく、問題の先送りになり重要な情報が伝わらない、もしくは大きな問題に発展するといった可能性があります。この意味でコミュニケーションを蜜にとりそのことを評価する必要がでてまいります。

 

評価の指標

チェック欄

●×記入

 

25.        情報(顧客情報等)に優先順位を設けて伝達している

26.        情報の別により、どの部署に連絡をするか理解し連絡できているか

27.        口頭のみならず文書で相手に正しく言いたいことを伝えているかどうか

28.        内部のみならず外部(店舗においては店舗の枠を超えた)連携をとり、率先してミン−ティングの提案をし、発言している。

29.        コミュニケーションの取り方を工夫し、このことで業績を向上(内部は情報通になり、効率化、経費削減などの管理力をあげる)させている。

7本来業務評価

 

職務に関しての固有の業務内容を如何に理解し、積極的にかつ効率的に・スピーディーに行っているかの評価。

 

評価の指標

チェック欄

●×記入

 

30.        固有の業務の管理(顧客(管理は社員を対象)のニーズを意識した行動)を積極的に実施している。

31.        固有の業務の管理の自律した対応を行い、色々と業務を安心してまかせている。

32.        効率的かつスピーディーな行動をしている

33.        責任をもって関係部署・部下に指導している(また業務に支障がでないようにシフト等の修正提案などを行っている

34.        前しまつ(準備)後始末に予断なく行い、ミスはない

 

 

 

 

 

 

 

8イノベーション評価

 

 

部門における課題を認識し、その改革につとめ実施できたかどうかを評価する

イノベーションとは、新しい考えや方法を開発、構築すること

 

 

 

評価の指標

 

チェック欄

●×記入

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

35.        課題を認識して、新しい考えや行動を行うように又、拒否せず取り組んでいる。

36.        自分の商品・仕事の進め方の課題点はどこにあるかを説明する。

37.        市場や他社と比較して自社の商品や仕事の進め方がどのように位置付けられているかを説明する。

38.        商品や仕事の進め方をどのように変えて行くべきか意見をいっている。

39.        会社全体、関連部署に同じように新たな商品化や仕事ができるように説明した。

9管理力評価

管理としてのビジョンの創造評価

管理とは、書類管理力、人員管理力、保管能力、整理能力、指導能力・時間管理評価の総称である。

部下の管理としては、指標を示し、適正な評価をし、指導のもと行動を修正できるかどうかも含む

チェック欄

●×記入

 

40.        必要書類・提出書類の整理・整頓ができ、保管状態は適正である

41.        資料等期限どおりに提出できる

42.        自分がいなくてもわかるようにファイリング・マニュアル化して書類がわかりやすい状況にある。

43.        上記を前提に指示・指導を行っている

44.        上記管理により、部下関連部署に対して業績向上・経費削減、効率化等が結果としてでてきた。

10

計画策定・目標設定評価

 

計画策定をどのように行うか、目標設定をどのように行うかの評価

チェック欄

●×記入

 

45.        時間に追われているなどを理由にせず、計画を真剣に立てようとしているか。

46.        前年と同じような計画ではないか(一つ上を狙っているか)

47.        情報収集の結果を踏まえて、市場成長等の外部環境の変化を反映させ、計画を策定している。

48.        計画策定に際して、具体的な行動計画・予算計画等も合わせて策定している。

49.        計画策定においてその妥当性、リスク等について事前にシュミレーションし、検証した上で実行して、書面で報告している。

 

 

 

11       サービス志向評価

 

 

部門におけるサービスとは何かということを認識し、その業務に取り組み顧客の固定化(店舗では来店頻度の上昇、購買数の増加)に役立つ行動をとっている。強い組織、取引先との関係行政との関係を構築しているかどうかの評価である。

 管理本部では、顧客は社員ととらえ、社員からの信頼を得ることができるように気配りを行い、行動していることを評価。

 

 

評価の指標

 

チェック欄

●×記入

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50.        お客様や他部署の不興を買うことはない

51.        与えられた役割以上のことをしている

52.        顧客の要望、社員の要望に対して自分のできる仕事の範囲内で応対している。

53.        顧客の要望、社員の要望に対して自分の仕事遂行にさらに付加がかかることを覚悟しても要望に答えている。

54.        顧客の要望、社員の要望に答えることがどの程度のコストになり、逆に信頼感を向上させることができるか費用対効果をを計算し、考慮して対応し、サービスレベルの向上が会社にとっての知的財産になりうるかを考えた行動をとっている。課題を認識して、新しい考えや行動を行うように又、拒否せず取り組んでいる。

12時間管理評価

 

時間管理評価とは、効率的に業務を行い、生産性を向上させるための評価である。

チェック欄

●×記入

 

55.        時間を無駄に使って、収益機会を逸していないか

56.        仕事に時間という制限があることを考えて行動している

57.        毎日の何をいつ行っているかという時間管理を手帳日報等に定期的に行っている。(検証)

58.        上記を前提に行動を考え、効率的に生産性をあげるかを分析し、結果を残している。

59.        上記を前提に関係部署に指示・指導を行っている

13

イニシアチブ評価

 

イニシアチブ評価は、集団の中で自分の意見を持ち、論理的に説明し、意見を主張しながら、集団の行動をその方向にまとめていく方法を評価する。

チェック欄

●×記入

 

60.        常に問題意識をもってのぞみ、組織の他の社員に対して、やる気を喪失させることがないように率先して行動している

61. 会議の席などで、他人より多く意見を言う

62. 会議の席などで、自ら問題提起をし、会議を活性化させている

63. 会議の席などで、その問題についての周囲の意見を促し、結論をまとめる

64. 課題とそれに対する対応を全社に対して説明し、会社全体での取り組みを促す。

 

 

 

 

14 

リーダーシップ評価

 

 

部門におけるリーダーとしての評価。

 

 

評価の指標

 

チェック欄

●×記入

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

65.リーダーとして職務遂行時における部下をまとめ組織としての行動が何かを教え行動できる。

66.組織のメンバーの長所・短所をふまえ、それぞれをどのように配置して活かすかを説明し、その長所を伸ばすべく行動している

67.組織のメンバーのどのような力が会社に貢献できるかを

説明し、メンバーの動きを監察し、注意するところは注意し、毅然として対応している。

68.組織のメンバーの評価があいまいでなく、真剣にとらえ

評価時においての信頼性を得るべく評価している

69.部門の目標を達成するために、社員11人の状況をとらえて適正な指示を出すだけでなく、会社全体から目標が達成できるようにその達成過程を説明している。

15

技術と習熟度評価

 

技術と習熟度評価とは、自分の職位の職務に対して(作業・生産工程、専門技術)、生産性を向上させるための評価である。

チェック欄

●×記入

 

70.習熟や技術は自然に身につくと考えることなく、いかに教育するかの重要性を知りまた教育を受けるかを重要と感じて、行動している(よく、色々質問し、作業がはかどる工夫を講じている)

71.基本的技術はもっている

72.応用力がある

73.自ら習得した基本技術をより簡単に習得できるように工夫し、他人に指導している

74.新たに技術を開発している。(現在は未だ達成していなくてもよい)

16

変化への対応と柔軟性評価

 

あらかじめ変化を予測し、その対応をとるためにはどのような行動をしているのかを評価する。

チェック欄

●×記入

 

75.常に現場の変化(顧客ニーズの変化、外的変化を含む)に対しての意識をもってのぞみ、組織の他の社員に対して、具体的施策をもって率先して行動している

76. 旧来の方法に固執せず、変化に対応し、対応策をまとめている

77.変化を予測し、変化が起こる前と同様の仕事レベルが維持できるようにしている

78.仕事に対して工夫をいつもしている(提案力をみる)

79. 変化とそれに対する対応を全社に対して説明し、会社全体での取り組みを促す。

 

 

コンピテンシーディクショナリー活用方法

1.各職位別査定項目において、記載された項目を評価するための指標として

活用する。

 

 2.評価前にこの項目において記載された評価種類を確認する。

(1)     基本的動作評価(アカウンタビリティー)(ビジネスマインド)

管理職は、責任感の評価として評価する

   (2)知識レベルの向上と共有化評価

   (3)数値管理評価

   (4)情報収集評価

   (5)問題解決評価

   (6)コミュニケーションと報告評価

   (7)本来業務評価

   (8)イノベーション評価

   (9)管理力評価、管理としてのビジョンの創造評価

   (10)計画策定・目標設定評価

   (11)サービス志向評価

   (12)時間管理評価

   (13)イニシアチブ評価

   (14)リーダーシップ評価

   (15)技術と習熟度評価

   (16)変化への対応と柔軟性評価

 

     上記の内容に該当する項目選別して項目の左上記に記載する

なお、上記項目がすべて記載されているのではなく、職位に応じた項目名を

選別して記載している。

 

3.項目に応じたコンピテンシーで留意する点をチェックして共通の評価認識を高める。

 

4.記載された事項を適正に判断するために○×で回答して最終得点を決定する。

 

目標管理制度とコンピテンシーを導入する企業は増加しています。能力を評価することはもとより、結果のでる行動を如何に社員の行動特性から調査分析し、評価制度に生かすかがコンピテンシー評価であると考えます。

 是非、参考にしてください。

 コンピテンシーに関してのご質問は  06−4792−1348 牧村まで



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